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Sorry Japanese only


姫の夢・・・4/15update4/15 UP
彼女は22歳の女性、名前は姫、数年前から都内の某商社に勤める様になった彼女は子供時代から
自慢の美形と容姿を持ち、まだ、歳はもいかない子供時代から男性によくもてた。

今も高校時代からつき合い始めた、一つ年上のひろしとつきあっている。
もうかれこれ4年になる・・そろそろ結婚も考えたりして、二人は幸せな日々を送っていた
しかしそんな2人には未だに友達はおろか両親にも話せない趣味があった。


高校当時、野球部の主将で先輩であった彼がひろしであった、 彼女は登下校の間やクラブ活動中の彼の姿を友人達と密かに眺め、憧れていたのだった。 ある日、そんな噂を聞いた友達の先輩が彼との間を取り持ってくれ、めでたく若いアベックが一組誕生した。

クラスはおろか、全校でも噂の美人の彼女からの告白を貰ったひろしはさすがにうれしさを隠しきれない様子で、お互いに楽しい交際が続くことになる。 数ヶ月続きお互いがだいぶんうち解けた頃、彼がクラブ活動中に足を怪我した。


数日の間、姫はひろしの登校を待ってみたが姿を見せない彼の事が心配になり友人と共にお見舞いに行くことにした。

怪我後、初めて見る彼の姿にとてもハッとした事を今でも彼女は忘れられない。 ジャージ姿で松葉杖をついて私達を出迎えてくれた彼の左足は白い包帯の様な物がぐるぐる巻きにされていて見るからに痛々しさが伝わってきた。「ギプスだ!」と一人の友人が大きな声を出して眺めている。


何故かそのギプスを見た姫は彼の事が心配なのと裏腹に、そのギプスを触りたい気持ちになり部屋に通された後、みんなでそのギプスの事を彼に詳しく聞ききながら触らせて貰った。

彼もみんなにギプスの事を聞かれるのに慣れているのか?あれこれと自分の怪我の事を忘れて、すでに落書きだらけになった自分のギプスをみんなの前に投げだし熱心に説明してくれた。 その時、膝上までジャージをめくりあげた彼の足のギプスにはまだ最上段が見えなかった 事がとても姫に印象として強く残っている。 何て面白い物なの! なんて痛々しい物なの! かみなりに打たれた様な衝撃が 彼女の体に走ったが声には出せない。ただ目を輝かせてギプスを見つめる姫。 

同じ様に興味深げに触り落書きを増やす友人達。

その時が彼女にとって初めてのギプスとの遭遇であった。数年前にも友達のギプスをみた事はあるが、より身近なひろしのギプスにはまんざら他人事でなく、しかも自分の好奇心に答える事が出来る人物が出来た事への満足感が感じられて、思わずにが笑いを浮かべてしまっていた。


今から思うと、異性への興味とはまた別な何かを見つけた気分だったのだと彼女は思う。 しばらくの間はひろしの家にお見舞いに行く日が続いたがやがて彼は松葉杖をついて登校できる様になり毎日の様に友達と中庭で松葉杖を使って遊んでいるひろしの姿を校舎2階から眺める姫はいつしか、ひろしの姿を自分に置き換え重ね合わせて想像していた。 卒業後、彼とは連絡が取れず、音信不通となり自然消滅となった交際ではあったが、 あの時のギプスの触感と松葉杖をついた痛々しいギプス姿の彼が忘れられない彼女の気持ちは残っていた。


卒業を前にして進学の勉強に励みながらも、姫は時々、あの時のギプスの感触を再現したくて、親に隠れ深夜に自室で包帯を自分の足に巻いて楽しむ様になっていた。 数回となく日常での茶飯事の如く、深夜の包帯遊びを続ける彼女であったが、どうしても あの時の堅く、冷たい、ギプスの触感が得られない事への不満が蓄積してゆき、それがいつしか彼女の心の中で自分の足へ本物のギプスをはめたいという欲望へと変わっていった。

今、自分が考えている事や自分がやろうとしている事が他人には理解できない事は自分でも良く分かってはいるが、数ヶ月前から気持ちの準備をしてきた自分の置かれた状況と希望を考えると、機は熟した感がある。 中学生活最後の夏休みを前にして日々、勉強責めの今こそ、彼女の計画には絶好のチャンスに思えた。 翌日、かねてからの夢を実現しようと姫は学校が終わって下校中、友人と分かれてのち、自分の家と目と鼻の先にある角の電柱に自転車にのったまま右足を思いっきりぶつけた。

当たる寸前に目をつぶったのが結果、良かったのか彼女の足は想像以上に簡単にしかも ひどく骨折していた。 あまりの痛さで意識が遠のく中でも後悔すらしていない彼女は自分が本物のフェチだという現実を実感していた。


予定よりも長い2ヶ月の入院中、当初の希望のギプスははめてもらえず、板の様な物をはめられ、歩く事も許されずに足を天井から吊ったままの生活を余儀なくされた姫は仕方なく病院での受験勉強に励むしかなかった。

後悔しても始まらない自分の惨めな足を毎日眺めながら、抜糸の予定日を待ち続ける彼女の心の奥にはギプスへの憧れがリカバリーしている為か、外見からは辛そうには見えなかった。 抜糸が済み、ようやくギプスを巻いて貰った彼女は医者の前ではいやそうな顔をして 芝居をしたが、みんなが帰った病室では人生で初めての自分のギプスを触り自分自身の体の中からわきあがる満足感と激しいフェティズムにマスターベーションをしてた。



来る日も来る日も病院内を車椅子を使って楽しそうに散策して回る彼女の姿はいつしか病院中で噂になるほどのアイドル的な要素があった。
歳も若く、抜群に綺麗でかわいい彼女は自分の痛々しいギプスの足を隠すどころかみんなに見せて回っている様にさえ見え、時には外来で訪れる患者さん達が皆、注目するほどの演説めいた話を彼女はやってみせた。


事実、彼女もそれが目的であったし、みんなが自分の痛々しいギプス姿に哀れみを感じながら同時に興味本意で注目している事を姫は誰よりも知っていた。 それどころか他人に自分の痛々しい姿を見せる事を彼女はなによりの励みにしていた。 入院生活も終わり、何とか元の体に戻り歩けるようになった頃には受験が近づいており入院中にする事がなく普段以上に勉強できた彼女は当初に志願していた学校よりもワンランク上の学校にパスできた。



しかもその学校で当時交際していて分かれてしまったひろし先輩と再会できたのだった。 何という幸いであろう。なんという運命であろう。 運命に導かれた二人の関係が1年前の状況に戻るのにそう時間はかからなかった。 だが、姫は自分がやった事を彼に話す事が出来ずにいた。 そんなあるデート中、いつもの様に楽しく彼とレストランで食事をしていた彼女の横を数人の若い男女が通り過ぎようとしていた。


最初は気にも止めなかったが、彼等が歩く音の他に金属的なカチッ!カチッ!と何かをたたく様な音にふと横を見た彼女の目に松葉杖をついて不自由そうに歩いてくる若い女性の姿が映った。 自分より幾つか上の二十歳ぐらいだろうか? 隣によりそうようにして同年代の男性がついている、私が彼女を見た時には違う席で食事している客達も彼女を見ていた。すくなくとも姫にはそう思えた。


話声と音楽でにぎやかなその場は彼女の来店のせいか?少し静まった様に姫は感じる。 レストランの中の他の客達も物珍しそうに彼女達を見て見ぬ振りをしているのが姫には手に取る様に分かる。 こういった若い女性の怪我人を珍しそうに見る人の心境を彼女は人一倍読む事が経験上出来て。しかもそれは当たっていた。 姫も直ぐに目を反らして彼との会話に戻ろうとしたが、少しギクシャクした会話になってしまった。たぶんお互いが彼女の足を見たい衝動を押さえられない為であろう。 横を通り過ぎようとしている女性の足に 2人が交互に目をやり反らす・・・・・・ 姫は彼女の足にはまったギプスを見て希望が当たったかの様に嬉しそうな笑みを浮かべて、彼と元の会話の続きを楽しんだ。


彼は急に嬉しいようなしぐさをする彼女の表情が気にかかったが黙っていた。そのとき姫も彼の中学時代のギプス経験の事に話を持っていこうかと悩んでいた。 しかし自分もギプス経験がある事をまだ、彼に話していないことに気づいて喉元まで出かかった言葉を呑んだ。 少し気まずい感覚が開いた後、彼の口から「懐かしいな〜 俺もあのギプスの経験をしたよな」というセリフが飛び出したものだから姫も止まらない。

「実は・・・」で始まった彼女の話を延々1時間近くも聞かされた彼は少し途中で何度か驚いてはいたが、姫の真剣で情熱のある話口調に押されて彼女のギプス経験の話を最後まで聞いた。 「そうなのか・・・自分で足を・・そんなにギプスが好きなのか?」「うん! 大好き」嬉しそうにしかも自信たっぷりに彼女が答えた。





2章




そんな彼女のギプス経験を聞き終わった彼の心境は複雑であったのは言うまでもない、少し頭がおかしいのか?と思った事が彼の顔に出たためか、姫は少し沈んだ顔になり開き直った口調で「私の事、嫌いになった?」 とひろしに聞いた。 肯定も否定も出来ない心境であったひろしだが、自分の事を信用して秘密を話してくれた彼女への感謝の気持ちと、元はと言えば自分の怪我が原因で彼女を引き込んだかのような錯覚がいりみだれる彼の頭の中ではあるが、自分の前で愛らしく微笑んでいる姫を見ていると、彼女のかわいい趣味を理解してやろうとするしか手だてはなかった。その為、ひろしは自分が感じた事をそのまま正直に姫に伝え、今後の2人のつき合い方や彼女が自分に今、求めている物が何かを探ろうとした。


彼女の話の内容の中に自分一人で足や腕に包帯を巻いて、ギプスらしく見せる工夫をして町に出て人目を楽しんでいるという節があったのを思いだし、一人での怪我人ごっこの楽しみ方を彼女から教わった。


その時、熱心に説明する姫の目は輝き、少しでも自分の趣味を正当化しようと時には自分をバカ呼ばわりしながらも世間には迷惑をかけていない事実を最後に必ず付け足す彼女の姿にはひろしを驚かすほどのエネルギーが感じられたのだった。 彼女の話を全部理解できた訳ではなかったが、少しでも彼女を理解してやりたいという気持ちで話しを聞いた彼には少なくとも、怪我人ごっこは俗人に迷惑かけるものでもなく、世間で危ないと思われる様なサイコ的な要素もないと事までは理解できた。



しかもこの趣味は他人の心理を巧妙につき、それを自分のフェチとして満足感に変えるという今までに考えもつかなかった楽しみの様に彼には思えた、 「分かった。そんな事なら構わないよ! 他の男とドライブしたり食事したりして 浮気まがいの事をされるよりよっぽどましだよ。」と彼はホッとしたかの様な口調で姫に優しく言った。姫はその言葉を聞いて初めて自分の趣味を理解してくれた人の出現に ほんとうに嬉しく思い彼が頼もしく見えた。

しかしその時すでに姫の怪我人ごっとともいえる行為はお遊びとして言い切れる段階ではなくなってきていたのを彼は知る由もなかった。

数日後、大学のキャンパスに松葉杖を付いて歩く女性の後ろ姿をみつけたひろし「もしや?」と思い近づいてみたが、人違いであった。 ひろしは電話で話をしている最中にその日の事を思い出し姫に話をすると、大変興味があるのか、ひつこくいろいろと彼に問いただしてきた。「どんな娘?」「どんなギプス?」 「何回生?」うる覚えながらもひとつひとつを警察の事情聴取の様に答えた。


姫はひろしから情報を頼りに、次の日学校へ行ってその女性の事を探し回った。 姫の目的は何なのか? 彼女自身も自分が何故、その女性を探しているのかわからないのではないだろうか?ただ、その女性が見たい、出来ればその女性と話をしたい、そのギプスを見たい、そんな衝動でその女性を探しているのに違いないと自分自身を説得した。

松葉杖をついて学校に登校してくる女性を見つけるのは簡単だと思っていた姫の予想は 外れていたが、何とか友人からの聞き込みで有力な情報を得た姫はすぐさま教養学部の建物へ行きゼミの開かれる予定表を調べた。午前と午後の部に分かれていたが、午後の部に出席すると思って、仕方なくはやる心を押さえて時間を潰す事にする


キャンパスでひろしと落ち合い、再度、彼女の事を話をしていたとき姫はひろしの顔を見て、ふと我に帰った。「ごめん! 違う女の事ばかり話をして・・・」「なんでかな? 自分でもよく分からないの・・こんな変な娘だけど今でも好き?」 「あぁ・・全然平気さ!俺もよくわかんないけど、これから長くつきあっていくにはもっとお前の事を理解したいと思っているんだ。だからなんだって話てくれて構わないよ、俺にもできる事があったら手伝うしさ!」 姫が予想していた以上のやさしい言葉を彼は姫に返してくれた。その言葉を聞いた姫は思わず彼に抱きついていた。


数分後、ひろしが姫の肩を叩いて、「ほら!あの娘」と周りに聞こえない程度に叫んだ。 彼が指す方を見ると、木製の松葉杖を慣れた感じで付いて3人ほどの女性がこっちの方へ やってくる。


時どき松葉杖の同僚を気遣う様に立ち止まりおしゃべりをしている、自分より少し年上だとすぐに直感したひろしは「先輩かな?」と姫に話かけたが、姫の目は自分の体を壁にして彼女から離そうとしない。


その姫の目つきをひろしは少し怖かったが、彼女の話を聞いてある程度は理解していたひろしには分かる様な気がしていた。 「3年生かな? 横に居る娘は俺の先輩の彼女だから!」 相変わらず返事をしない姫、 ひろしはそんな彼女を不思議に思ったが姫の気持ちが少し理解できる様になっていた彼はそれ以上邪魔はしなかった。 違うわ! ギプスじゃない! 

怒った様な口調で姫は立ち上がりひろしの手を引いて 彼女達と反対方向へ引っ張った
自分が想像していたギプスではなく、包帯だけの足を見た姫は今までの予想を大きく裏切られたように機嫌が悪くなりひろしの情報に批判した。 「私が見たいのはギプスだけ。 包帯じゃ駄目よ。ギプスと包帯じゃ〜全然違うの」 面をくらったかの様に何故、怒られたのかわからなかったひろしだが、ギプスと包帯の違いを見抜かなくては彼女が満足しないのがやっと分かった。


姫はその夜、昼間から自分の気持ちが高ぶっているのを押さえられずにいた。 いつもの様にタンスの一番下に前々から用意している包帯や脱脂綿などの医療備品をおもむろに出し、それらを慣れた手つきで自分の体に厚く巻き付けて拘束感を楽しもうとした。しかし以前なら包帯だけでも十分に自己満足できたのだが最近の自分には包帯だけでは物足りなさを感じていたのだった。そんなもの足りなさが彼女の欲求に拍車をかけるのを押さえられずにいた
今日はどうもなっとくできそうにない彼女は何とかもっとリアルな素材をと、狭い自室の中で代用品探し回る、雑誌を折り畳んで副木のようにして包帯で巻いてみたり、クッキングホイールを幾重にも重ねて腕に巻いてみたりビニールテープで巻いてみたりと・・・・しかしどれも今の彼女の欲望を満たすにはほど遠かった。


クッキングホイールでの固定も今日は感じない。初めてこれを腕に装着して外に買い物に行き、薬局で三角巾を買った時に店員さんに「骨折ですか?」と訪ねられた経験は他人に怪我の事を聞かれる事が自分に思った以上にインパクトがある事を過去に入院した時から分かっていた彼女には新鮮であった。


 実際、姫はいつもそのような状況を自分でつくる努力をしているし、どうすれば他人が話かけてくれるか?何処へ行けば話ができるか?相手が自分の怪我の事を気遣ってくれて話をしてくれる時こそがいちばん彼女にとっては楽しく、興奮できる瞬間なのだ。 町中を包帯姿で歩く時、ショーウィンドウに映る自分の姿にも満足できるようになってきた姫は痛々しくも哀れな女性を演じられる自分が女性である事を本当に嬉しく思っていた。

初めて自分で巻いた包帯で外に出て人目にさらされる経験に気をよくした彼女は以前、病院での記憶に少しでも近づこうと、これからは包帯ではなく自分でギプスを装着したいと考え、そうしないと自分の欲求はみたされないのだ直感した。


ギプス包帯を入手するには何処へいけば手にはいるかをひろしとのたまのデートで相談する日々が数日続いた後、本屋で偶然に見つけた医療雑誌を持ってひろしが学校に現れた。 そこには今まで自分が見たくても見られなかったギプス姿の哀れな女性達の写真が 出ており、凡人の理解では校舎の陰でアベックが見て楽しんでいる雑誌とはほど遠い内容の本であった。
つづく